16歳のマルチーズ
散歩中にいつも遭遇した犬を連れた男性。
この近所では知られた存在で、若干お節介なおじさんですが、良い人です。
彼の連れていた愛犬が、先日天国へと旅立ちました。
16歳で、この1年くらいは病気で毎日薬を飲む生活だったようで、本当にゆっくりしか歩けない状態だったみたいです。
会うとうちのFinoは生意気に吠えたりしてたけど、向こうは大人しい感じ。機嫌が悪いと、たまに怒ってFinoにも吠え返していましたが、立ち話をしているとお互いおさまる感じに。
安楽死の認識
このワンコの最後は、自宅で動かなくなって、息をしているのがやっと、という感じの状態で獣医さんに連れて行ったそうです。
正直、数ヶ月前から、もうダメなんじゃないかなと我々が見ていても思うくらい歩くのがしんどそうで、最後はどうされるのかなと気にはなっていました。
数年前に亡くなった別のワンコも、最後は歩けなくて、飼い主のおばあさんが無理に引っ張る姿を目撃していて、皆にかわいそうだと言われていたようです。
スイスでは、もう治療をしても回復の見込みがない場合は、安楽死を選択する飼い主が多いように思えます。
それは愛犬がもう苦しまないようにと、悲しいけど苦痛から解放させてあげたいのが本当の気持ちでしょう。
老衰で亡くなるのが、ワンコも人間も1番かもしれませんが、長年病気で苦しむのも逆に辛いでしょう。
特にワンコの場合は、意思が伝えられないので、飼い主の愛情を感じとってくれたら、安楽死も選択肢だろうなと思います。
日本では、この「安楽死」というテーマ自体が、人間も犬も少しタブーな感じはしています。
日本では法的にも認められていないので、スイスに来て安楽死を選ぶ人もいます。
犬の場合も飼い主ができるだけ自然な形で最後を迎えて欲しいと、安楽死を選択肢ないケースが多いようです。
それはそれで、どちらが正解とか間違っているとかはいえませんが、悲しいことに変わりありません。
愛犬が亡くなって1週間後、飼い主さんに会う
ちょうどワンコがなくなって1週間後に飼い主のご夫妻に会いました。
旦那さんがいつも散歩していたので、彼の方と話をして、奥さんはかなり落ち込んでいるようでした。
もう引退されて、子供も成人されているお二人ですが、やはり16年間一緒に過ごしてきた愛犬を失う悲しみは、話していても伝わってきました。
この先、自分が一番経験したくない気持ちでもあり、同じように必ず訪れる愛犬の最期という事実でもあります。
人間と違って、寿命が短いということを忘れずに、毎日を愛犬と過ごしていければなと思いました。